Enu's,Inc. Report

冬になれば夏を、夏が来れば秋を思う。

ファンであるということ

いつからか、「ファン」と呼ばれる類のものが好きだ。

 

私は子どもの頃からサッカーが好きで、今でも毎週欠かさずJリーグを見ては推しチームの勝敗に一喜一憂している。(厳密に言えば今はオフシーズンだけど…)

 

サッカーの試合の中継では、頻繁に客席の様子が映される。

手拍子をしていたり、(今はコロナ禍であまり見られないけれど)必死に声援を送っていたり、祈ったり、泣いたりする様子。

私はあれが好きだ。

得点が決まれば周囲の知らない人と抱き合って喜び、試合に敗れれば「次また頑張ろうぜ!」と無理やりに前を向く、そんな姿を見ていると、どうしようもなく涙が出る瞬間がある。

 

…歳を取ると嫌だね、涙腺が緩んで。

 

 

 

Mr.Childrenにおける「ファン」も当然好きだ。

 

Mr.Childrenファンとの交流にはいろいろ思い出がある。

 

2019年5月19日、東京ドーム。

前日にチケットを手にした私は、これからMr.Childrenに会えるということをにわかに信じられないまま東京ドームのフォトスポットに並んでいた。1人での参戦だった私は、私の後ろに並んだ男性にお願いしシャッターを押してもらった。お返しに私もその男性のスマホのシャッターを押した。

スマホの受け渡しをした流れでその男性と少し話をした。聞けばその男性も1人での参戦で、しかも人生初生Mr.Childrenだと。別れ際、その男性は満面の笑みで「めっっっちゃ楽しみですね!」と言った。

…いざこうして文字に起こすと、いかにもありきたりな流れというか、ライブ会場に限らず、よくある光景に見えないこともないが、私にとってはこの男性とのやり取りはかなり印象に残っている。f:id:enu_moto:20221231125054j:image

 

時間は歪んで、2022年5月11日、これまた東京ドーム。

「半世紀へのエントランス」東京公演が終わった後、どうにもすぐにホテルに帰る気にならず、帰っていく人たちを眺めていた。

私に近づいてくる男性が1人。「シャッター押してもらえませんか?」との申し出を二つ返事で了承し、撮影会を始めた(こう考えるといつも誰かのシャッターを押してるな)。

 

エントランスマンのタオル持って!はいじゃあ今度はバックショットでいこう!オッケー!次東京公演のタオマフ持って!はいこっちも背中側撮ろう!

 

なんて撮影会をしていると(※実際はもっと丁寧に対応してました)、「僕の写真も撮ってもらえませんか…?」と、また1人の男性が。もちろん良いですよ!と迎え入れ、結果的に私も写真を撮ってもらい、3人で撮りつ撮られつをしばし繰り返した。

 

私が皆さんはどこから来たんですか、と尋ねると、「私は○○から」「私は◎◎から」と返事。あそこで偶然にも集まった3人は、全員が全員東京から遠く離れた地から、Mr.Childrenへおめでとうを言うために集まったのだった。

 

…いや、これまた何の変哲もないよくある交流なのだろうけれども。名前も知らない人たち、もう一度会ってもお互いに気がつけないかもしれないけれど、確かにあの夜、Mr.Childrenが奇妙で面白い出会いをくれた。

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Mr.Children GIFT for you」の話。

ネタバレになってしまうので多くは語らないが、本当にいい映画だった。

映画を見終えた後、劇場を出てからずっと「誰も見な問題を抱えている / だけど素敵な明日を願っている」というHANABIの歌詞が頭の中で流れ続けている。

私が好きなバンドは、本当に偉大だ。

 

 

 

話を「ファン」の方に戻して。

私はファンが好きだ。そして私自身、紛れもなくいろいろなもののファンでもある。

だがその一方で…1歩引いたところから、ファンでいる自分を冷めた目で見ている私がいるのも事実だ。

 

自分の力を信用していない。

サッカーでは昔から「サポーター」という言葉が使われる。が、自分で自分のことを、なかなかサポーターとは言えない。

「支える人」って!そんな大層なことはできていないよ。勝手に応援して、勝手に一喜一憂しているだけ。

 

GIFT for youの予告編映像の中で、桜井さんの「皆さん全部含めた『Mr.Children』っていうチーム」という言葉が使われていた。Twitterを見ていたら、「桜井さんが私たち(ファンのこと)をチームって言ってくれてる」というツイートをいくつも見つけた。

桜井さんがどんな心境で言ったか、真意はわからない。どれくらいの規模感を想定して言ったかは知る由もない。

でも私としては、あの「皆さん」の中に、ファンは含まれていないんじゃないかなと思っている。もちろんこれは私が勝手に言っていることで当然桜井さんの考えでは無いし、受け取り方は観た人それぞれの自由だろう(それだと桜井さんが困る?)。

私としては、「Mr.Childrenというチームに入れてもらう」なんて恐縮すぎて…

 

自分に対して物凄く冷たい言い方をすれば、勝手に応援して、勝手に人生重ねてるだけだ。

「君に届くはずない」という「潜水」の歌詞がよくわかる。

そう、届くはずない。

 

 

でも、でもね。

Mr.Childrenには、私たちをいつも巻き込んでくれる。

 

半世紀へのエントランスの「innocent world」では、声を出せない状況の我々に "いつものところ" を任せてくれた、心の中で歌わせてくれた。どんな状況であっても巻き込んでくれる、肩組んでくれる、一緒になってくれる、Mr.Childrenってそんな存在だ。

 

 

純粋な本音を言えば。

 

届けたい、届けたい。届くはずのない声だとしても、あなたに届けたい。

 

これが私の本心。

 

「ありがとう」も、「おめでとう」も、「これからもよろしく」も、全部届いて欲しい。そんな淡い願いを抱いてスタートした2022年だった。

 

そして

 

繋がっている、届いているを改めて感じたのが「半世紀へのエントランス」であり、会報やラジオなどのファンクラブコンテンツであり、「GIFT for you」だった。

 

もちろん他にも「Dear Mr.Children」やベストアルバム発売、書籍・雑誌の多数販売にスカパラ対バンSAI2022出演、ミスチル三昧、SONGS、Mステなどなど…

全部を体験したわけじゃないけれど、きっとそのどれもが素晴らしかったはず。

Mr.Childrenがくれる愛と、Mr.Childrenに向ける愛の両方を、出来る限り最大限全身で浴びた2022年だった。

幸せだったよ。

 

何度でも言いたい。

今年1年、素敵な景色を沢山見せてもらって、本当にどうもありがとう。

来たる "半世紀" へ向けて、これからもMr.Childrenのファンでいさせてください。

 

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この気持ち、届くかな。